犬の縄張りを主張するマーキング、家の中でおしっこをさせないしつけ | 悩むよりまず相談、明日への希望に!

犬の縄張りを主張するマーキング、家の中でおしっこをさせないしつけ

自然の生き方が一番幸せ

縄張りを主張するのは自然の本能

犬がそこかしこでおしっこをするのは、排尿の目的以外に、マーキングといって、自分のにおいを残すためなんです。

マーキングはいわば自分の名刺を残すことです。散歩の道筋に自分の名刺を置いておくことで、自分の縄張りをほかの犬に主張するというわけですね。

犬は、自分の行動範囲、縄張りを持っています。野生で生きるものにとって、縄張りは自由にエサをとれる場所ですから、縄張りを守ることは非常に重要なことなんです。

おしっこは縄張りをはっきりさせる行為

マーキングをするのも、犬にとっては縄張りを守るための大切な仕事なのです。縄張りは大切なものですが、常に見回って、侵入者を警戒しているわけです。

犬の縄張りには2段階ある

散歩で回るところは自分の縄張りとはいえ、ほかの犬が入ってくることもある、共有の部分になります。

この部分で見知らぬ人や犬に会っても、犬は「見逃してやるか」といった気持ちなんですね。

ちょっとだけおしっこをしているのがマーキング

排尿するときには、たくさんのおしっこを出すのに対して、マーキングのときは片足を上げて少しだけひっかけるのが特徴です。

これは、より高い所におしっこをひっかけるため。マーキングの位置が高ければ、ほかの犬に気づかれやすく、自分の存在を強くアピールできます。

マーキングは一般にオスの行為ですが、発情期を迎えたメスも、片足を上げてマーキングすることがあります。

臭いが重要なデータ

お互いの存在を確認するマーキング

また、マーキングは記録簿としても役立ちます。前の犬が残したマーキングのにおいをかぐことで、誰がそこを通ったかを調べ、そこに上がけすることで自分の通行記録を残しているのです。

残ったにおいをかげば、そのおしっこが自分の知っている犬のものかどうか、いつその場所にやってきたのかなどを知ることができるのです。

マーキングはふつう散歩の途中におこない、家のなかではしません。家は飼い犬にとっては縄張りの中心。主張するまでもないエリアなのです。

家の中でのマーキング

しかし、縄張りに侵入者が来たと思ったときには、その限りではありません。たとえば、家にお客が来たとき、しかもその人のことを犬が嫌がっている場合は、少し状況が違います。

自分が住んでいる家と庭は、自分だけの大切な縄張りです。ここは厳しく管理し、侵入者は徹底的に追い払うべき場所。そのため見知らぬ人が入ってくると攻撃的になる場合があるのです。

ただし、家に入ってくる人をどのくらい警戒するかは、犬種差や個体差があります。一般には、独占欲が強い犬ほど、縄張り意識が強く、侵入者に対する攻撃が激しい傾向がありますね。

犬にとっては真剣な行為

いつもトイレでできるのに、今日に限って違う場所でおしっこしてしまったというときは、犬が縄張りを侵されたと感じたサインです。

家のトイレ以外の場所にマーキングしてしまう場合は、叱ってやめさせるのではなく、マーキングできる場所を設けてあげるほうが、犬にストレスがかかりません。

シーツをはったゴミ箱などを部屋の隅に置きます。床には新聞紙を敷き、壁にはビニールシートをはっておくと、掃除がしやすいでしょう。

吠えかかるのも同じ思い

来客に吠えかかって困るという場合は、来客をいきなり家のなかに通さず、飼い主が家の外で出迎えて、来客といっしょに家に入るようにします。

すると犬は来客が飼い主といっしょなのを見て、侵入者ではないと悟ります。犬も外に連れて出て、いっしょに入ってくるとさらに効果的です。

このお出迎えを何度か繰り返すと、犬も次第に来客に慣れてきます。家の外で来客を出迎えたら、その場で少し立ち話でもしたらいいのです。時間がたって、犬が落ち着いてから家のなかへ入るのがポイントですね。