猫の年齢は人とどう違うか、老猫の世話で気をつけたほうがいいこと | 悩むよりまず相談、明日への希望に!

猫の年齢は人とどう違うか、老猫の世話で気をつけたほうがいいこと

猫の年齢を人間の年齢にたとえると?

1カ月で人間の1歳、1年で18歳

3歳以降は1年で7歳分歳をとります、1歳で一人前だとみなされます。子猫から成長をみていると、大きくなるのがとてもはやいことがわかります。

猫の生後1ヶ月は、人間の年齢にたとえると1歳。子猫が若いころほど急成長します。猫にミルクをあげなくなり、乳離れがはじまる時期が、人の乳離れの時期とほぼ同じということで換算し猫の生後6カ月は、人間でいうと10歳にあたりです。

ただし、猫の脳はおとなの猫の知能レベルは、1歳半の幼児程度です。

猫の1歳は、人間では18歳に相当します。メスは性的に成熟しており、子どもを産める体になります。オスも1歳前後から発情期がはじまります。

最高34歳まで生きた猫も

猫の年齢換算は猫の平均寿命、高齢記録と、人間のものとを照らし合わせて割り出すため、時代によって流動的ですが、猫が3歳になり完全に成熟してからは、1年で7歳分ずつ歳をとっていく計算になります。

飼い主のいない野猫の平均寿命は7〜8歳といわれていますが、病気やケガなどでもっと早く亡くなる猫も少なくありません。

ペットのイエ猫の場合は、平均寿命はだいたい12歳ぐらい。室内飼いをされている猫や、去勢や避妊手術をしている猫のほうが長生きをする傾向にあります。

現在は34歳が猫の最高齢の記録。最近は食餌の改善や医療の発達によって、20歳近くまで長生きする猫も珍しくありません。

おとなになってもあどけない表情

家畜化されたため

家畜化によって、幼さが強調される容姿や習性を持つようになったためだと言われています。おとなになってもあどけなさが残る「ネオテニー」ライオンやトラも、赤ちゃんのときにはあどけない表情をしています。

でも立派なおとなに成長したライオンやトラを「あどけない」と感じる人はまずいません。ところが猫はおとなになってからも、あどけなさがずっと残っています。

これは猫がネオテニー(幼形成熟)といって、r・どもの性質を残したままおとなになっているからです。

イエ猫の祖先はリビア猫。リビア猫は最初、穀物庫にいるネズミをねらい人間が住む集落にやってきたと考えられています。

そうしたリビア猫のうち、人兄知りしない子猫や自分で獲物をとれない猫を拾ってきて飼いはじめたのが、イエ猫の祖先ではないかといわれています。

人と暮らすようになって、猫の唯活は一変しました。なにしろ飼い主といっしょにいれば、食べ物もねぐらも保障されています。

独り立ちをしなくても、子供のように保護される存在として生きていけるわけです。だから猫はおとなになっても、子どものように飼い主に甘えてきます。

また体型についても、大きな日やまるっこい体など、子どもっぽい特徴を残すようになりました。

ペットの猫より野猫は野性味が強い

ただし同じイエ猫のなかでも、人間に飼われているペットの猫と飼い主のいない野猫では子どもっぽさの度合いが違います。

ペットの猫は飼い主に甘え放題ですが、野猫は自分でテリトリーを守り、食べ物も独力で探さなくてはならないからです。

野猫のなかには、野性味のある鋭い目つきをした猫も少なくないですよね。猫盛りには8匹程度子どもを産みます猫の性成熟は生後半年から1歳前後で訪れて、生殖能力はメスが12〜13歳、オスが15歳ぐらいまで続きます。

15歳というと人間の年齢に換算すれば80代後半に相当しますから、かなりの高齢になるまで恋を楽しんでいるということになります。

まあ猫としては別に楽しんでいるわけではなくて、「子孫を残すためにおこなう大事な仕事のひとつニャ」という性質のものなのかもしれませんが……。

猫の年齢

猫は人間の4倍の早さで歳を取る

野良猫は、病気や事故などで命を落としてしまう場合が起きることから、平均寿命は4~5年だと言われています。

それに対し飼い猫は、完全室内飼育の急増や質のいいペットフードの普及といったものが影響して、以前よりも圧倒的に長く生きるようになりました。

猫年齢に応じた食事の必要性いつまでも元気で長生きして貰うことを望むなら、成長段階に合わせた食事がとても重要だと断言できます。

1歳までは子猫用、6歳までなら成猫用、7歳~10歳までなら高齢猫用、11歳~14歳までなら老齢猫用、15歳以上なら長寿猫用というように、その時期に猫が必要としている栄養を想定したキャットフードを選んであげることも健康を維持するカギになります。

あっという間に成長する子猫猫は人よりも速いスピードで成長し、老化していくのです。健康状態の良し悪しもありますが、人の約4倍といわれています。

最初の1~2年は「人の約4倍」には当てはまらないのが普通です。猫にも、個体差があるので、一概に人間でいうと何歳とはいかないものです。

おおよその年齢として考えたらいいでしょう。猫の年齢を人の年齢に換算する計算式猫は生後2年で24歳ですから、3年目からは1年に4歳ずつ歳をとるので『24+(猫の実年齢-2年)×4』です。

それぞれの成長期の特徴と育て方

子猫の期間

出生してから、9ヶ月くらいまでを一般的に『子猫』と言います。一番かわいらしい時ですよね。でも、猫の時間というのは人間とは違い、驚くほど早く成長しています。

子猫のかわいい時期は約1年間で、人間でいうと思春期前の子どもと同じくらいになります。本当にあっという間です。でも、かわいいもので猫じゃらしで遊んだり、おもちゃを追いかけたりなんていうイタズラはまだまだ続きますから。

成猫の期間

生後1年から6年くらいまでになってくると、『成猫』の部類になります。体もずいぶん大きくなり、しっかりした感じになってきます。

食事も大人用のエサでも大丈夫になる時期です。最初の頃は、遊びたい盛りなのでかまって攻撃をかなり仕掛けてきますし、いたずらもいっぱいします。

盛りが来るのもこの時期です。成猫の時期を人間の年齢と比べてみると1歳が人間の17歳、6歳は人間の40歳に相当すると言われています。

また、盛りがきてしまうと大声で鳴いたり、オスの場合そこら中におしっこをひっかけるようになります。それにちょっとのスキマを狙って外に飛び出して行きますので外出時などは要注意です。去勢手術は早めに済ませておく必要があります。

老猫の期間

猫も7歳を過ぎると、老猫期に入り貫禄が出てくるものです。人間と同じように脂肪がつきやすくなり、運動もあまりしなくなります。

歳を重ねるごとに毛のツヤも失われていきますが、この年齢の猫は、人に優しく接してくれます。年齢が高くなるとすり寄ってくることも多くなり、おっとりしたかわいさを出してくれます。

何歳になっても猫はかわいいものだと実感できます。老猫の時期を人間の年齢と比べてみると、7歳が人間で言えば、44歳あたり。

そして、12歳は人間の66歳に相当すると言われています。このころになったら、キャットフードはシニア用に切り替えてあげましょう。

12歳前後には歯が抜け落ちたり、病気にかかることもあります。目やになどが出ていないかなど健康チェックも念入りに行う必要があります。

年齢別のメニューを考える

年齢によって変わるカロリーの消費量

ほとんどの飼い主が市販のキャットフードを与えている現在、栄養のバランスを崩す猫は、以前ほど多くありません。

しかし、猫の成長に応じて必要な栄養素やカロリーの量は違ってくるので、年齢に合った餌を与えることは、とても重要なポイントになります。

生後3週~2か月(離乳期)のメニュー

舌の使い方を覚えはじめる時期なので、餌も流動食からペースト状のものに、徐々に切り替えます。はじめは猫用のミルクとつぶした鶏肉を9対1の割合で混ぜて与えます。

この割合を少しずつ変えていって、生後卿~別日までに自然に離乳させます。この時期にいきなり成猫の餌を与えると、下痢がとまらなくなって、栄養障害を起こすことがあります。

生後2~10か月(子猫期)のメニュー

骨や歯が成長し、動きも活発になる時期なので、良質のたんぱく質やカルシウム、ビタミンなどを多く与えます。成猫の餌に慣れさせるため、かたいドライフードを与えてもかまいません。

偏食が現れやすい時期でもあるので、たまにはドライフードと缶詰を半々に混ぜて与えるなどの工夫も必要です。

10か月以降(成猫期)のメニュー

体格が整うこの時期は、毎日の体調維持に重点をおきます。猫の運動量や消化能力、季節の違いなどで、食べる量にばらつきが出はじめます。

室内飼いで運動不足ぎみの猫は、餌の量を加減しないと、肥満猫になってしまいます。栄養管理が難しい時期なので、ドライフードと缶詰を交互に与えたり、混ぜたりして、毎日の餌に変化をもたせ、猫が偏食にならないようにします。

老猫に適したメニュー

老猫になると自分の好きなものしか口にしなくなって、偏食の癖がついてしまいがちです。毎日同じ餌ばかり与えないで、目先を変えながら、栄養のバランスのとれた食事を心がけます。

歯が弱ってくるのでやわらかい餌を好むようになり、運動量の減少に伴って、食べる量も減ってきます。このような場合には、離乳食や猫用ミルクと混ぜたやわらかい餌を与えます。

猫のダイエット

太りすぎの猫にはダイエットメニューを与える

肥満の猫が増えています。健康面から考えると、肥満は猫の寿命を縮めているとしか思えません。

肥満の原因の大半は、飼い主がついつい与えてしまう間食やおやつ、それに運動不足です。その対策としては、病気が原因で太りすぎの場合を除き、餌の量や質を変えなければなりません。

猫のダイエットメニューの基本は良質のたんぱく質とビタミン類を強化し、糖質や脂肪をできるだけおさえた、低カロリー食です。

餌の量を減らすだけでは、盗み食いをするようになって、かえって逆効果です。どんなにおやつを欲しがっても、心を鬼にして与えないことです。

低カロリーで栄養バランスのよいキャットフードは、動物病院や専門店で入手できます。

老化の兆しは7歳~8歳

長寿国ニッボンは猫も長生き

人間社会と同じように、猫の世界でも医療の充実とともに、平均寿命は延びてきています。現在、猫の平均寿命は13~15歳といわれています。

とはいっても、おとなになった猫の4年は人間の1年に相当するので、猫は人間の4倍の速さで歳を取っている計算になります。

寿命は延びたが老化の時期も早くなった

食生活や環境の変化に伴って、老化現象が現れる年齢も低くなっています。ふつう、猫の老化は10歳くらいから始まりますが、最近では7~8歳で体のあちこちに老化が見られる猫もいます。

逆に17歳になっても元気で食欲も旺盛で、子猫を産み続ける猫もいます。

老化の現れ方は人間と同じ

老化の現れ方は猫によってもまちまちですが、老化が進むと、おおむね次のような変化がみられます。

1.抜け毛がひどくなる

各種のホルモンバランスが崩れ、栄養の偏りもあって、被毛のツヤがなくなり、抜け毛が多くなります。

時には部分はげになり、毛根も痛んでいるので毛が生えません。皮膚の張りがなくなって、色も黒ずんできます。

2.耳が遠くなり、目がかすむ

まわりのできごとに関心をもたなくなります。名前を呼んでも気づかなかったり、歩きながら物にぶつかったりすることが多くなります。

3.歯が抜け落ちる

歯石を放っておくと、歯肉や歯根が弱って、歯がぐらぐらしてきます。慢性の歯槽膿漏になると、口臭がひどくなり、歯が抜け落ちます。

4.動作が鈍くなる

筋肉をはじめ体の機能全体が衰えてくるので、刺激に対する反応が鈍くなり、体を動かすことをおっくうがるようになります

一日中寝てばかりいて、食事とトイレのときだけ起きてくるようになり、毛づくろいや爪とぎも、あまりしません。

5.消化器や泌尿器が衰える

運動不足からくる便秘や下痢の繰り返し、布団の上での排尿など、消化器や泌尿器の衰えが目立ちます。

6.餌を食べる量が減る

餌や飲み水の量も、ぐんと少なくなります。しかし、消化不良からかえって食事量が増えたり、糖尿病になって水ばかり飲んでいたりすることもあります。

老猫のケアの仕方

老猫に優しい環境づくりを

年老いた猫は一日の大半を、お気に入りの場所で寝てすごすことが多くなります。猫の安らかな休息を妨げず、余計なストレスを与えないためにも、住み慣れた環境の維持は欠かせません。

そして何にも増して、年老いた猫を元気づけるのは、飼い主の温かい言葉です。精神的な安定の維持は、どんな病気に対しても、効果的な治療法となるのです。

室温の急激な変化は避ける

年老いた猫は、環境の変化に対する適応能力が低下しています。特に急激な温度変化に、猫の体はほとんど無防備といってもいいほどです。

夏の暑い時期や冬の寒い時期には、室温の調整に十分な配慮をしてやります。

排尿・排便のしやすい環境

ベッドの置き場所が高ければ、低い場所に移して、体力の負担を軽くしてやります。粗相することが多いようなら、ベッドの近くにトイレを置くなどの気くばりも必要です。

周囲に大きな音を出すものがあれば、できるだけ取り除くようにします。

餌は消化のよいものを

老猫は消化能力が低下し、歯も弱くなっているので、餌は消化のよいやわらかいものにします。材料はできるだけ細かくするか、ペースト状につぶして与えます。

老猫用のキャットフードも市販されています。老猫に最も多い病気は、腎不全です。腎臓に負担をかけないためには、白身の魚や鶏のささ身など、良質のたんぱく質を少なめに与えます。

塩分のとりすぎも腎臓や心臓に負担をかけます。塩分の多い人間の食事は与えないようにします。

老猫がかかりやすい病気

糖尿病

[原因]
膵臓でつくられるインシュリンというホルモンの減少で、血糖値(血液中の糖の濃度)が高くなり、糖が尿に含まれて排世されます。慢性腎不全と並んで老猫がかかりやすく、太ったオス猫に多い病気です。

[症状]
多飲・多尿がひどくなって、しだいにやせてきます。

[治療]
獣医師の指示で、家庭で行うインシュリン注射のほか食餌療法。

白内障・緑内障

[症状]
目の水晶体が濁ってきたり、眼圧が上昇して、さまざまの視力障害を起こします。ちょっとした段差でも、つまずいたり転んだりします。

歯周病(歯槽膿漏)

[原因]
歯についた歯垢や歯石を放っておくと、そこから細菌が感染して歯肉や歯根に炎症を起こします。

[症状]
歯肉が赤く腫れて、強い口うみ臭がします。悪化すると膿が出て、歯が抜け落ちることもあります。

[予防]
若いうちからやわらかいものばかり食べさせず、歯石があれば除去してもらいます。

便秘症

[原因]
腸管の働きの低下、繊維分や水分の摂取不足、運動不足など。

[症状]
便が出なくなり、時に便の塊が大腸に詰まる(巨大結腸症)ことも。そのほか、食欲不振、腹痛などもみられます。

[予防]
繊維の多い煮野菜や植物油などを、食事に混ぜて与えます。