病気のときや体調が悪いときの世話の仕方
人間の風邪がうつる
うつることはないので、隔離の必要はありません。それよりも、自分の体調が悪いからといって、ハムスターの世話をおざなりにすることだけは避けましょう。
どうやってクスリを飲ませる?
腰を振って嫌がるのが普通です。暴れるようなら、爪切りの要領で、タオルを使って頭をしっかり隠します。
ハムスターの切歯を避けて、スポイトなどの先を口の横から差し込めば、簡単に含ませることができます。
薬そのものを嫌がる場合は、薬に混ぜ物をしても大丈夫かを獣医に確認してから、ジュースなどに混ぜて与えるのも良い方法です。
また、目薬をさす場合も嫌がります。薬を飲ませたり目薬を上手にさすのは、飼い主の慣れがいちばんです。
きちんと運動制限をする
最小限の設備が入る大きさのものに交換します。必要最小限の設備とは、眠るスペース。トイレ。エサ置き場・水飲み場があるということで、歩く(ウロウロする)スペースはゼロと考えてください。
高さも低いものを選びます。金網を登ってしまうようであれば、水槽タイプを使用します。
また、トイレや小屋の入り口も、出入りが楽にできるように段差のないものにするか、段差にスロープを作るなど、工夫してください。
それでも狭いケージの中で暴れるような場合は、獣医に相談して鎮静剤を処方してもらうとよいでしょう。
病気の時のエサ
食欲が低下しているハムスターは、「おいしいもの」しか食べない傾向があります。食欲が落ちていても、おいしそうな匂いのするものや、容易に食べられるものなら食べるでしょう。
たとえば、ハムスターフード(ペレット)をお湯でふやかして、人肌程度の温度で与えたり、野菜を細かくしたりペースト状にして与えてみましょう。
それでも自力で食べない場合は、ペースト状のフードを、薬を飲ませるようにして、スポイトを利用して与えてみてください。
ただし、こういうエサは変質、腐敗しやすいので、十分に注意してこまめに取り替えてください。
小さな体でもしっかりと見つける
大きな前歯が1本欠けている
歯のつけ根の歯を作り出す部分さえ痛めていなければ歯は再び伸びてきます。そうなれば、下の歯が伸びすぎていても、すぐにかみ合わせによって削れるので問題ありません。
しかし、もし歯が伸びたり生えたりしない場合は、下の歯を定期的に削る必要が出てきます。
ホオ袋が外に出ている
押し込んでやればOKです。しかし、何度戻してもまたすぐに引っ張り出してしまったり、いつも気にして手入れしている場合は要注意です。
ホオ袋自体か、ホオの内側に炎症や腫傷があるのかもしれません。ホオ袋の炎症を引き起こす原因は、いくつかあります。
熱すぎる食べものによる火傷や、腐った食べもの・不潔な巣材・刺激性物質などをホオ袋の中に入れてしまった場合などです。
もし繰り返すなら、十分に注意してください。ヘンなクセなどとのんきに構えず、すぐに病院に向かいましよう。
ホオ袋がいつも膨れている
ちょっとかわいそうですが、ホオ袋の中を調べてみましょう。ホオ袋の中味がもしひまわりの種ならば問題ありません。
しかし、位置が変るようであれば、腫傷の可能性も否定できません。小さいうちに手術しないと、たとえ良性であっても切除しきれなくなります。早めに受診しましょう。
お腹だけが妙にでっぷりしている
頭がとがった感じになり、あばらも浮いていませんか?はっきりいって、これは非常に悪い状態です。
ひょっとすれば、お腹のあたりをさわるとゴロゴロしたしこりを感じるかもしれません。また、腫傷から腹膜炎を起こして、腹水がたまっていることもあります。
老齢であれば、心不全や肝不全による腹水症の可能性があります。この場合手助けをしてあげることを、いちばんに考えなければいけません。
早急に病院に行けば、それも可能です。しかしすでに食欲不振や呼吸困難の状態であれば、すでに肺水腫や胸水症を併発して、呼吸困難に陥っている例もあります。
毎日見ていて、不安が増すこと
ハムスターの背中をつつくと怒る
ハムスターは、なでられる程度のことは割と平気です。しかし、小さな人間の子どもは、唐突な動きをしてしまいます。
大きな声を出したり、力の加減がわからなかったりします。ということで、ハムスターにとっては子どもは苦手な存在といえそうです。
小さな子供がハムスターと遊ぶ時には、必ず大人がつきそって、優しいさわり方を教えてあげたほうがいいのです。
小さな子どもだけでハムスターを扱わせないということは、ハムスターを驚かせてかまれる事故を防ぐだけでないのです。
体の大きさは、遺伝?
体の大きい系統や小さい系統がたしかにあります。しかし、同じエサをあげて同じように育てていても、異常に成長の遅い場合は、病気が隠れている可能性があります。
明らかに小さいハムスターは、念のため病院で診てもらった方がいいかもしれません。同じ環境・同じエサで育てたにもかかわらず、1009に達しないコもいれば、2009を超すコもいます。
この差は遺伝的傾向が強いようです。また、メスは一般にオスより大きくなります。オスが先天的あるいは後天的な病気のせいで成長しきれず、小さくなってしまうこともあります。
いきなりお尻が腫れてきたら
ハムスター体と比較して、まるでタヌキの置物のようによく発達した皐丸をもっています。
これを後ろに引きずるようにして歩くのが普通なんです。また皐丸は体温調節の役割もしているので、夏はとくに露出し、余計におしりが腫れているように見えるのです。
反対に寒かったり、体調が悪い時は、露出していた皐丸がお腹にくっついてしまうことがふつうです。
口から腸が出ている
腸のように見えるのが口の両脇にあるホオ袋です。ホオ袋は、食物などを詰め込むと広がって、首の後ろにまでふくらみますが、中味が空の時は、しなびた風船のような状態です。
ホオ袋の中味を取り出す時にホオ袋が反転していっしょに出てしまう場合や、内側をきれいに掃除する時に出すことがあります。
通常は自分で元に戻しますが、いつまでも出しているようなら、湿らせた綿棒を使って、奥に押し込んでください。
もし、何度入れてもすぐに出してしまうような時は、ホオ袋が炎症を起こしているかもしれません。病院へ連れて行きます。

ハムスターが痩せる
突然痩せだしたら病気を疑う
ハムスターは病気を隠すハムスターは、病気を隠します。それは、野生の名残。天敵の動物は、簡単に捕まえられる、弱っていそうな相手を選びます。
そのため、病気やケガで弱っていると、捕まえやすい相手だと思われます。したがって、ハムスターは病気やケガを隠そうとしてしまうのです。
冬眠を意識した活動餌は欲しがって、せっせと巣箱へ運びます。そして今までに無い程、餌を貯めに溜め込みます。食べずに溜め込んでいるのです。活動も活発で、貯めるだけで食べないので痩せてしまうのです。
内臓疾患を疑う
食事内容、量ともに変えていないのに、体重が明らかに減少する。そんな場合は、内臓疾患を疑った方がいいでしょう。
または糖尿病の可能性があるかもしれない体重減少は何らかの異常のサインと受け止めた方が良いと思います。
肺炎にかかっていることも
肺炎は呼吸困難というか苦しそうです。そして、そこまでいくと治療が難しくなり、死んでしまうこともあります。
適切な治療が必要です。ハムスターに詳しい病院で治療してもらうでないと、正しい診断はできない可能性もあります。まず、何件かの病院に問い合わせてから選びましょう。

ハムスターの脱毛
ハムスターの脱毛にはいろいろな原因がある
脱毛箇所と、その周辺の肌をチェックする健康なハムスターの皮膚はキレイな薄ピンクをしています。
それが、赤くただれてリンパ液が出ていたり、引っ掻いたような傷があれば、痒みを伴う皮膚疾患の可能性があります。
ハムスターのしぐさが脱毛箇所やその周辺を気にするようなでしたらそれをよく見ておきましょう。病院に連れて行ったときに医者に詳しく説明できるように準備しておくためです。
隠れ家の汚れまでチェックする
ケージの外で遊ばせると、ハムスターは自分の気に入ったところに隠れ家をつくったりします。
気に入った場所を複数、隠れ家にしていることもあります。それらの場所は、私たち人間が思いつかないような狭い場所であることが多く、掃除が行き届いていません。
知らず知らずに、埃やアレルギー物質がハムスターの体に悪影響を及ぼしている可能性もあります。
ストレスが原因の脱毛
ハムスターも人間と同様に、ストレスから脱毛することがあります。ストレスの原因は様々。考えられる原因の一つが、人間が構いすぎているかもしれないということです。
可愛いのではたくさん触れ合いたいと思って、撫でたり抱っこしたりしたくなります。しかし、ハムスターはそれをストレスだと感じることもあるのです。
普段ハムスターとどのように接してきたかを思い出してみましょう。環境の変化で脱毛人間もそうですが、環境の変化などで一時的に脱毛することがあるのです。
周りが気にしすぎていると、それが余計なストレスとなり脱毛が広がってしまうことがあるみたいです。
脱毛箇所をさわりすぎたりすると、それがかえってハムスターのストレスになってしまうこともあります。
ハムスター本人が気にしていないようでしたら、飼い主もそれ以上に大らかな気持ちで構えてみましょう。
他の病気が隠れているかも
脱毛を見つけると、疑うのは皮膚疾患とストレスなんですが、何故ストレスが溜まったのか、考えましょう。
ひょっとしたら、他の病気が隠れているかもしれません。特にメスの場合は子宮蓄膿症にかかる可能性があり、症状が進むと患部から膿が出ることもあります。
これに限らず、病気による不快な症状があればストレスが溜まるのは当然のことです。
ほおっておいても自然に治る
脱毛が一時的なものであればあまり心配要りません。しかし、時期が長引き、なおかつ範囲が広がってくると心配になります。
原因が特定できればその治療をしてあげてください。しかし、ストレスがたまって余計ひどくなるようなら止めましょう。
自然治癒力に期待する
ハムスターの持つ自然治癒力に期待して、根気よく見守り続けることも大切なケアです。小さな体のハムスターにとって、治療というのは大変なストレスになりますから。