猫の食事、食べ散らかしや食べ残しは普通、食べない時や嘔吐は要注意

食事の工夫で健康な猫に

成猫の餌は朝と晩の2回決まった時間

猫の餌でいちばん大切なことは、栄養です。餌の回数や栄養の割合を変えてやることも必要なんです。

離乳期の子猫、老猫、妊娠中の母猫を除いて、一般には朝と晩の2回、決まった時間に与えることが、猫の健康を維持させるコツです。

朝一度にたくさんの餌を盛り「好きな時間に好きなだけ」という与え方では、1回の食事の量にムラが出て、偏食や食欲不振のもとになります。

飼い主が食事をとる前に餌を与えておけば、猫のほうも人間の食べ物を欲しがらなくなります。

ムラ食いを防ぐ

成猫の食事は、朝と晩の2回が原則ですが、与えた餌の種類や量によっては、朝食べて晩に食べないこともあります。

これは猫の「ムラ食い」とよばれ、猫の祖先が狩りで獲物を捕食していた時代に、食べられるときにたくさん食べておこうとした食習慣の名残です。

ムラ食いは偏食のもとになるので、食べ残した餌は、はやめに片づけます。

猫に必要な5つの基本栄養素

1.タンパク質

筋肉を強化するのに必要です。動物性タンパク質は特に重要な栄養素です。また、タンパク質を構成するアミノ酸の中でタウリンがありますが、ほとんどの動物がタウリンを合成できるのに対して、猫はその能力がありません。

タウリンが欠乏すると、視力障害や心筋症、繁殖障害などを起こします。

2.脂肪

猫の瞬発力を生み出すエネルギー源として重要です。脂肪を構成する脂肪酸は被毛の発育や維持に欠かせません。

3.炭水化物

猫は人間ほど炭水化物を必要としませんが、エネルギー源の一部になります。

4.ビタミン

ビタミンは体の働きを調整し、成長を助けます。猫に必要なビタミンは、A、B、Eなどです。猫はビタミンCとKを体内で合成できるので、このふたつは餌として与える必要はありません。

5.ミネラル

カルシウムとリンは、骨や歯をつくる大切な栄養素ですが、リンが多すぎるとカルシウムが失われてしまいます。そのほか、いろいろなミネラルが体調を整える働きをしています。

猫ご飯だけで栄養不足に

昔の猫は、ごはんにカツオ節をまぶしただけの猫ごはん(猫まんま)や、みそ汁のだしを取った残りの煮干しをのせただけの粗末な餌を与えられていました。

これだけでは、塩分のとりすぎやビタミン不足になりやすく、けっしてよい食事とはいえません。とはいっても、かつて放し飼いで飼われていたころの猫は、猫ごはんだけでもけつこう元気に生きていたようです。

これはおそらく、ネズミや小鳥を捕まえて、自分で栄養バランスの偏りをうまく調整していたからでしょう。

前触れもなくまったくごはんを食べなくなる

量が多い、天気が悪い、気になる異性

猫には猫なりの理由があるようです。その理由はいろいろ。生存システムが作用することもあるんです。

猫が急にごはんを食べなくなる理由は、一言では説明できません。人間だって食欲がわかないときの理由はさまざまですよね。

「料理が口に合わない」「恋わずらいでごはんも喉を通らない」「夏バテで脂っこい料理はつらい」などなど。

猫だって事情は同じです。猫がごはんを受けつけなくなったとき、まず考えられるのは、そのメニューに飽きを感じているということです。

こうした飽きは、けっしてわがままなわけではありません。猫がほかのメニューをほしがるときには、違う食べ物で今不足している栄養分を補おうとしているのだ、という説もあります。

逆に、今までと違うフードを与えたために、猫がごはんに口をつけようとしないときもあります。猫はにおいで、おいしいかおいしくないかを判断します。

だから「まずそうだニャー|と感じたら、それこそ一口も口をつけようとしません。猫は”頑固な一点グルメ主義者”の傾向があるので、こればかりはどうしようもありません。

病気で食べられない場合もある

そのほかにも、繁殖期の猫は一時的に食欲がなくなります。また夏の蒸し暑い時期なども、人間と同じように食欲が減退します。

ただし子猫で半日以上、おとなの猫で24時間以上、まったくごはんを受けつけない状態が続くようであれば、病気であることが疑われます。すぐに獣医さんに診てもらったほうがよいでしょう。

ごはんを食べかけて残したり散らかしたり隠したりする

本来は狩りのときだけ食べる

飼い主のいない野猫は、ネズミや小鳥などの小動物を主食として暮らしています。猫が1日に必要とする食餌の量は、ハツカネズミに換算すると12匹分です。

ネズミ1匹を捕まえたらまずはたいらげ、また新しい獲物を捕まえては食べるということをくりかえすのです。

だから猫のおなかは、一度にたくさんのものを食べるようにはできていません。子猫の場合は1日4〜5食、おとなの猫の場合は1日2食程度に分けて食餌を与えている飼い主が多いようですが、猫としては「もっと食餌回数を細かく分けてほしいと思っているかもしれません。

同じ猫科の動物でも、一度に大量の肉を食べ数日間は絶食をしても平気なライオンとは、対照的な食生活です。

だから猫がごはんを食べきれずに残してしまうのは、身体の構造や猫の食習慣として仕方がないことなのです。

いざというときのために食べ物を貯畜

猫は、肉のかたまりなど一口では食べきれない量のごはんを与えられたら、口でくわえて部屋の隅まで持っていき、そこで食べることがあります。

これもネズミなどを獲物としていた頃のなごりです。自然界では獲物を捕まえたら、横取りされない安全な場所に移動させる必要があります。

そしてようやく安心して食餌タイムに入るのです。また食べきれないときには、見つからない場所に獲物を隠します。これを貯金ならぬ貯食といいます。しかし、隠してもすぐ忘れてしまうようです。

食欲がなく、食べるとすぐに吐く

環境の変化からくる食欲不振

食欲があるかないかは、猫の健康度を知る重要な目安です。食欲がないからといって病気とは限りませんが、何日も餌を食べなかったり、異常に食欲が増したときなど要注意です。

猫は偏食性が強いので、餌の種類を変えただけで食欲不振に陥ることもあります。このほか、環境の激変やストレス、発情など多くの要因が考えられます。

口やのどの異常があると、空腹であっても食べることができません。水を飲む量が異常に増えたときは脱水症状や糖尿病、子宮や腎臓の病気などが疑われます。

嘔吐の回数や内容物の観察

食べすぎたときや、有毒物、消化の悪いものを食べたときにも、猫はよく吐きます。

1回だけの暇吐で、食欲があって元気ならば心配ありませんが、堰吐が長びく場合は動物病院へ連れていきます。咽吐の回数や時間、内容などを、できるだけ詳しく観察しておきましょう。

便や尿の様子がいつもと違う

1日2回便の様子をチエック

ふつう猫は、1日に2回食後に排便をします。トイレを掃除するときは、必ず便の様子も観察します。健康な猫の便は固形で、黄士色から焦げ茶色をしています。

軟便や下痢便、水様便はなんらかの病気が考えられます。黒くてタール状の便や血が混じっている便は要注意です。

着色料が入っている餌を与えると、便に色がつくこともあります。下痢には小腸性の下痢と大腸性の下痢があります。

小腸性の下痢は量が多く回数は少なめです。大腸性の下痢は回数が多く、少量の下痢を繰り返します。

1~2回下痢をしても、元気で食欲があれば、食事を1回抜いて様子をみます。下痢が長びくと、脱水症状を起こして、栄養失調になることがあります。

特に、体の水分量の割合が大きい子猫は、放っておくと命にもかかわることなので、できるだけはやく獣医師の診察を受けます。

トイレに行っても尿が出ない

尿の量や回数、色、臭いを細かくチェックします。気温や湿度によっても違いはありますが、尿の量や回数の変化は猫の体の水分の出入りを知る、大切な目安です。

このほか、猫の排尿動作や、尿の色、臭いなどのチェックも忘れずにします。ふつう、猫は1日平均2~3回食後に排尿をします。

色は透明な薄い黄色。去勢していないオスの尿は、臭いが強いようです。猫の尿をそのまま放置すると、時間とともに臭いが強くなります。

トイレを汚れたままにしておくと、猫は排尿をがまんして、膀胱炎なることがあります。勝耽炎になると排尿回数が増えて1回の尿量は減ります。

尿が出なくてトイレに座り込んでしまうこともあります。尿が赤いときは、出血や筋肉の障害などが考えられるので、一刻もはやく病院へ連れて行きます。