犬の行動には理由がある

飼い主の顔を舐めるのは従順のしるし
犬はリーダーにしたがうことで安心を得る本能があります。だから飼い主に対しても従順であろうとする、それが最も自然な姿なんです。
飼い主の顔をなめるのは、あなたを頼っています、従います、のサインだと考えられるんですね。
これは、オオカミの時代から受け継いだ本能だということです。ようするに、自分より優位な相手に対して、口をなめることで従うんです。敵意がないという証なんです。
飼い主を主人として認めている証拠
犬が人の顔や口のまわりを舐めるのは、飼い主を自分の主人として認めていることであって、頼っています、という気持ちの現れなんです。
だから、飼い主が帰宅した時に、激しくしっぽを振りながら顔を舐めてくるのは、ひとりぼっちの不安から解放されて、安心している心の現れなんですね。
それをストレートに出してくるから、また、可愛くて仕方がないわけです。
甘えたい気持ちや大好きの表現方法
飼い主は保護者みたいなもの
飼い主は犬にとってはリーダーというより保護者や親のような存在です。いわば、主人であって、犬は従者になるのです。
いつもそばにいてご飯をくれ、養ってくれる飼い主に対して、信頼して、あたかも子犬が母犬に甘えるように舐めると考えられているんです。
しつこいのは不安の裏返し
ところが、こちらの気持ちを無視して、ひたすら舐めるときがあります。
ひょっとしたら何か不安を感じていて、それを解消するためかもしれません。舐めることで心のバランスを取ろうとしていると考えられるんです。
いまいちど、犬にとってストレスになるような接し方をしていないか、見直してみることが重要です。
犬が顔を舐めてくる時の注意点
感染症の可能性をよく考えること
犬の口の中には、約150種類もの細菌が生息していると言われます。これは人間も同じようなものです。
そうなると、犬に舐められて犬の唾液がついた口元というのは、かなり不潔な状態だと考えられますね。
場合によっては、犬から人に感染する人畜共通感染の可能性もあるわけです。
パスツレラという菌は犬の75%が保有していて、免疫力の弱い人や乳幼児に対して、気管支炎などを発症させる危険性があるそうです。
また、犬はトイレの後に自分でお尻の周りを舐めていることがあります。こういったことから、寄生虫に感染してしまう危険性もあるわけです。
愛犬とのふれあいは重要
危険を避けるための手立てを考える
薬やワクチンで予防できるものはきちんと対処する必要があります。また、ふれあった後は手を洗う、清潔に保つなど考えられることはやりましょう。
まちがっても、犬と食器を共有したり、口移しで食べ物をあげるなんてことはやってはいけないんです。
舐めるのを止めさせたい
犬が舐めてきた時に騒ぐと逆効果なんです。犬は、それを喜んでくれていると勘違いしてしまい、さらにエスカレートしてしまうんです。
犬が舐めてきたら叱るのではなく、静かに顔を反らします。やめさせるには無視して相手にしない、犬が舐めるの止めたらすかさず褒めてあげるんですね。
すると、顔を舐めても飼い主さんは喜んでくれない、舐めるのを止めたら褒めてもらえた、と覚えていくのです。
しっかりと教えてあげることが重要
顔をなめるのは、犬との信頼関係を感じることのできる嬉しい行為です。しかし、病気のリスクや他人に迷惑をかけないという意味もあるので、舐めないしつけは必要なんです。
しつけをするときに大切なのは、犬は人間が大好きだということをわかってあげることです。