目の手入れ
目のまわりの汚れや目やにはぬるま湯でふき取る
かたくこびりついた目やにを、無理にかき取ろうとすると、かえって目を傷つけてしまいます。ぬるま湯に浸したガーゼやカット綿で目やにをぬぐい、やわらかくなったら静かにふき取ります。
目の中にごみが入ったときは、ぬるま湯を少しずつかけながら、ごみが浮いてきたところで、そっとふき取ります。
目のまわりの汚れをそのままにしておくと、涙やけや結膜炎の原因になります。また、目やにがひんばんに出るようなら、なんらかの病気が考えられます。必ず、獣医師に診てもらいます。人間用の目薬は絶対にささないこと。
白い毛の猫は涙やけに注意
目のまわりについた涙をふき取らないでおくと、その部分から黄色ブドウ球菌という細菌が繁殖して、毛の色が茶色に変わってしまうことがあります。
これが涙やけとよばれるもので、白い毛の猫は特に目立ちます。涙やけは軽くふいたくらいでは、なかなか取れません。
薬剤で取ると、かえって逆効果の場合もあります。そうならないためにも、毎日のこまめな手入れは欠かすことができません。
ペルシャ猫やヒマラヤン種に涙やけの多いわけ
鼻が低めの猫は、ふつうの猫に比べて涙が目にたまりやすくなっています。品種改良で鼻が短くなるように頭骨が変化した結果、涙が吸収されずにあふれやすくなったことが、涙やけの原因です。
長毛種の場合、短毛種に比べて被毛に涙がつきやすいので、涙やけを起こしがちです。しかし、短毛種も目の病気で涙やけを起こすことがあります。涙やけがひどいときは獣医師に診てもらいましょう。
耳の手入れ
耳の中の汚れはベビーオイルでふき取る
猫の耳あかは普段あまり目立ちませんが、湿度が高いときや耳の中に異常があると、汚れてきます。
正常な猫の耳は内面がつるつるしていますが、カビや細菌に感染するとざらざらしてきます。肥満した猫の耳あかは、脂ぎっていて強い異臭がすることがあります。
耳の手入れは、毎日する必要はありません。月に2~3回、耳の中をチェックし、汚れていれば手入れをします。
耳の内面の汚れは、綿棒にベビーオイルをつけて、そっとふき取ります。あまり奥まで入れすぎると耳の内部をいためるので、掃除は目に見える範囲にとどめます。
耳の手入れを嫌がるときは寝ているあいだに行う
耳の手入れをしようとすると、嫌がって暴れる猫がいます。無理やり押さえ込んですれば、猫の耳を傷つけてしまいます。
嫌がって暴れるようなら、猫が寝ているあいだにそっと手入れをすれば、うまくいくでしょう。タオルで体を巻いて猫をおとなしくさせることもできますが、これは最後の手段です。
黒くてかたい耳あかがついていたり、臭いが強かったりするときは、かかりつけの獣医師に診てもらいます。
耳ダニの感染
耳の中に黒くてかたい耳あかがついていたら、耳ダニの感染が疑われます。耳を振るたびにダニが部屋の中にまき散らされて、衛生的にもよくありません。
激しいかゆみのため、猫は後ろ足で必死に耳をかきますが、あまり強くかきすぎると、耳の外側の血管を傷つけて耳が腫れてきます
。炎症を起こすと臭いも強くなります。手遅れにならないうちに、動物病院へ連れていきます。