ハムスターのペットとしての歴史

そこには始まりがあった
ゴールデン・ハムスターは、1930年にシリアのアレッボというところの近くで発見された1匹のメスと、2匹のその子供たちからすべてが始まったのです。
そのなかの3匹(オス1匹、メス2匹の兄弟)がイスラエルで交配され、その子孫が翌年にはイギリスに持ち込まれました。
持ち前の繁殖力(性成熟が早く、妊娠期間が短い)と、小型でスペースを取らず、性質も温和で粗食に耐えるなど、実験動物として人間に都合のいい要素を備えていたため、あっという間に世界中に広まったのです。
その要素に加え、彼らの愛くるしい容姿も一役買っていたに違いないようです。科学者だって人の子、当時、まだハムスターが珍しかった頃、こんなのがいる、なんて見せられたら、それ、少しくれ、私も欲しいといった具合いになっていたのだと思います。
実験動物としての輸入
日本には昭和4年に歯の研究のために輸入されたのが最初です。先述の実験動物としての長所が、ペットとしての長所としても当てはまり、その後、昭和40年頃からペットとして多くの人々に飼われるようになったのです。
チャイニーズ・ハムスターは、1919年にHsieh氏が、街頭で子供が売っているのを買い上げ、マウスのかわりに実験動物として利用したのが始まりです。
しかし実験室内ではなかなか繁殖せず、1950年代になるまで野生のものが使われていたそうです。日本には昭和34年にアメリカから輸入されました。
多くのアニマラーの父、コンラート.ローレンツ博士は室内ペットの逸品として、著書「ソロモンの指輪」でほめちぎっています。
ゴールデン・ハムスターは神様からのプレゼントだと思います。最近は少女マンガなどでもかわいらしさが紹介され、新しい飼育者が増え始めました。
小動物ブーム到来
平成5年、そこにドワーフ・ラビットがヨーロッパから持ち込まれました。その姿は私たちの目には新鮮に写り、彼らの愛くるしさから、新たなファンができたのです。
その相乗効果により、それまでは異味のなかった人たちも含め、ゴールデン.ハムスターやチャイニーズ・ハムスターも改めて注目されています。
その頃からドワーフ・ラビットやフェレットも大人気になり、小動物ブームという言葉が聞こえるようになって来たように思います。
人と関わり合いを持つようになった生き物の中では、まだまだ新米ですが、これからも室内ペットの王様の地位を他の動物に譲ることなく、我々を楽しませてくれると思います。