理解しにくい、猫の奇妙な行動

イヌに会うとブーツといって体をふくらませる

戦うか、逃げるかのふたつの気持ちが葛藤している

大型犬でもたじろぐネコの威嚇ポーズ

見知らぬ人やイヌが近づいてきたとき、身の危険を感じたネコは、四肢を伸ばしたまま背中を弓なりに丸め、「ブーツ」とか「シヤー」といった声をあげることがあります。

このとき体はイヌや人に対して横を向いており、毛は逆立ち、瞳孔は大きく開いています。ネコよりも体の大きな中型犬や大型犬でも、相手を威嚇するこの姿に思わずたじろぎ、退散する場合が少なくありません。

飼い主としては、「うちのネコに、こんな勇気があったなんて」とびっくりするようなシーンです。

矛盾した2つの感情が交差した瞬間

こうした姿勢をとるときのネコは、けっして勇気に満ちあふれた精神状態にあるわけではありません。

「怖いよ」という恐怖心と、「やっちまえ!」という攻撃の気持ちの両方が、ネコの心を支配している状態です。

ネコは恐怖を感じると、背中を丸めて地面にうずくまり、瞳孔は恐怖で有なあの威嚇ポーズは、恐怖にさらされているときの姿勢と、攻撃をするときの姿勢が組みあわさったものなのです。

外面的には勇気あるポーズに見えますが、内面では相反する2つの思いの間で葛藤しているわけです。

威嚇のポーズのときに体を横に向けるのは、相手に自分を大きく見せる役割と、すばやく立ち去る役割があります。

首筋を噛みつかれた後、地べたにゴロンとするのはどこかかゆいから?

首筋のスイッチでプリーズ状態

首筋を噛まれるとおとなしくるのは習性です。オスのペニスには短く鋭いトゲがついているため、イギリスの動物行動学者、D・モリスによればメスにとって交尾は痛い行為であるといいます。

メスは痛さのあまり悲鳴をあげ、オスに噛みつこうとしたり、引っかいたりするそうです。でも交尾のたびにメスに攻撃されていては、オスはたまったものではありません。

そこでオスは、交尾をするときには必ずメスの首筋を噛みます。するとメスは急におとなしくなります。これは生まれたときからネコが身につけている習性なんです。

母ネコは子ネコを運ぶとき、子ネコの首筋をくわえて持ち上げ、移動します。子ネコの中では「首筋をかまれる=おとなしくするとインプットされており、この習性は大人になってからも持続しているのです。

メスはよりよい遺伝子を残すために交尾が終わるとすぐ、地べたで身をくねらせて、次の雄に誘いをかけます。

よりよいオスの遺伝子を残したいから

さて、交尾が終わって数分もすると、メスは再びオスを受け入れる態勢ができます。地べたをゴロゴロしてオスを誘います。

同じオス、あるいは別の新しいオスはその周りを歩きながら「キミに近づきたいニャー」と「ミャオウー」という鳴き声を出します。

オスが近づくと、メスはじらすように逃げたりしますが最終的には交尾を許します。とはいっても、恋人を選ぶ権利はメスにありますから、ふられるオスも少なくありません。

メスの発情期は4日から1週間程度続きます。この間メスは何度も交尾をくりかえし、高い確率で新しい命をおなかのなかに宿すことになります。