姿をくらましたネコ
どこに消えたのか?
もっとも多いのは交通事故です。人目につかないところで死ぬことも屋外は危険がいっぱいなのです。
ベットは室内飼いがベストかもしれません。飼い主にとって一番つらいのは、ネコが忽然と姿を消して、家に帰ってこなくなることなのです。
特にオスには放浪癖があり、数日間から数週間帰ってこないこともあるため、飼い主をしばしば心配させます。
ネコが家に帰らなくなったとき、一番に想定しなくてはならないのは、残念ながら事故です。
交通事故以外にも、野外にはたくさんの危険が待ち受けています。ほかのネコとのケンカやイヌに襲われてケガを負ったり、殺虫剤や除草剤などの薬にやられたりするのです。
子ネコや体が弱いネコの場合は、カラスの狩りの対象になります。屋外は危険でいっぱいですから、基本的にペットのネコは室内で飼ったほうがいいでしょう。
そうすれば、ネコエイズ=ネコ免疫不全ウイルス感染症などの感染症にかかる不安もなくなります。
野ネコは危険のなかで生きています。体調を崩すとじっとして回復を待ちます。事故以外では、体調を崩して物陰でひっそりと休んでいることが考えられます。
ネコには「病院に行って治療を受ける」という概念がありませんから、調子の悪いときには、敵に襲われる不安のない安全な場所を選んで静養します。
この場合は、きっと遠出はしていないはずですから、庭の物置の片隅などを探してみるとよいでしょう。
しかし時には回復せず、そのまま亡くなってしまうこともあります。「ネコは、自分が死ぬところを人に見せようとしない」といわれるのはそのためです。
生涯マンション暮らし
ネコを散歩や旅行に連れ出したほうがいいか?
生後2カ月過ぎからしつければ散歩も可能ですが、無理は禁物です。ネコは家につく動物なので場所の移動は苦手です。
ネコは、環境がかわることをとてもイヤがる動物です。ネコといっしょに新しい家に引っ越しをすると、クローゼットに隠れて数日間出てこなくなる場合が少なくありません。
おそらく突然連れ去られて、知らない世界に連れてこられたような気分なのだと思います。同様にこれまでずっとマンションで暮らしてきたネコも、「もっといろんな世界を旅してみたいニャ」とは思っていないはずです。
無理に外に連れ出したら、パニックを起こしてあらぬ方向へと走り出してしまうか、その場で固まってしまうでしょう。
生後2カ月過ぎなら散歩に慣らすことも可能です。室内ネコにとっては、部屋のなかがテリトリーのすべてです。
外の様子が気になるようであっても、繁殖期以外はテリトリーの外への散歩や旅行を本心から望んでいるわけではないのです。
とはいえ、風の音に耳を澄ませたり、虫を夢中になって追い回したりといった、外出しなければできない体験をネコにさせたいという飼い主の気持ちもわかります。
子ネコの場合は、-母ネコといっしょに行動しながら狩りの仕方を覚えます。この習性を利用して、生後2カ月過ぎの子ネコの時期から、母ネコの後ろを歩くような気分で散歩をさせれば、ネコも飼い主との散歩が好きになる可能性があります。