どの猫も同じようにこだわること
立ったままオシッコしたがる
ホームレンジ内で自分をほかのネコに知ってもらうためです。去勢されていないオスをはじめ、メスもマーキングをします。
散歩中のイヌがいろんなところにオシッコを引っかけるのはみなさんもよくご存知でしょうが、実はネコも同じようにマーキングします。
木や電柱など垂直に立っているもののところで、後ろ向きになってしっぽを上げ、後ろ足を伸ばし腰を高くして、尿を霧状にして噴きかけるのです。
マーキングは、去勢されていないオスがもっとも頻繁におこないますが、去勢されたオスやメスにも見られます。
ネコがマーキングをするのは、ほかのネコの侵入を許さない自分のテリトリー(縄張り)やホームレンジ内です。
回数を分けて何回もおこないます。勝耽にたまっている尿の量が少ないときには、少しずつ小出しにします。
性別や年齢、大きさの情報まで入っている
ネコにとって木や電柱は、伝言板のようなものです。散歩の途中に、木や電柱についているほかのネコのオシッコのにおいに気がついたら、そのにおいをチェックします。
異性のにおいだと、吸い込んで、ヤコブソン器でかぎとりブレーメン反応を起こすこともあります。
たとえば直前にボスがにおいをつけていたとしたら、このあたりはうろつかないほうがいいとすぐに退散します。
でもオシッコの主が発情中のメスだったら、「恋人募集中」のメッセージにオスは喜び、恋人に立候補するためにメスを探します。
オシッコにはたくさんの情報がつまっています。相手がオスなのかメスなのか、年齢や体の大きさ、体調まで読み取ることができるのです。
木や電柱が伝言板なら、オシッコは伝言板に貼られた名刺のようなものです。
決まった場所で爪とぎする
肉球にある腺から出るにおいをつけておきたいのです。ネコの爪とぎに悩まされている人は、かなりたくさんいるはずです。
家具やカーテン、壁といったお気に入りの場所を見つけたら、ネコは「これでもか」というぐらいに爪とぎをくりかえします。
いつもはかわいいネコが、このときばかりは邪悪な小悪魔に見えます。ネコが爪とぎをするのには、いくつかの理由が考えられます。
ひとつは爪のお手入れ。使っている爪が古くなると、ネコは爪とぎによってその爪をはがします。するとその下から、新しい爪があらわれるというわけです。
もうひとつの理由はマーキング。足の肉球にはにおいを発する腺があります。このにおいを爪とぎによって家具や壁にこすりつけることで、ここは自分の場所だと主張するのです。
爪とぎをするとひっかき傷ができますから、視覚的なマークにもなります。ちなみにイスやソファなど飼い主が愛用している家具ばかりを選んで爪とぎをしたがるのは、飼い主のにおいにネコが反応して、自分のにおいもつけようとするからです。
さらに爪とぎには、ストレッチの意味もあります。家具や壁に前足をかけて伸びをすることで、身体をほぐすのです。
爪とぎをやめさせることは不可能
キャットタワーを利用して、そこでさせるようにするのが一番。ネコの爪とぎは習性なので、やめさせることは不可能です。
ペットショップで売られている爪とぎ用のキャットタワーには、木の柱や段ボール状のものなど何種類かあります。
お気に入りの爪とぎ器が見つかるまでいくつか試し、上手に使えたらちゃんとほめてあげることが大切です。