見ているだけでかわいさ余る猫の仕草
前足をたたんで箱みたいにおとなしく座るのはなぜ?
すぐに逃げる必要のないときに見せる安心ボーズです。ネコは体がやわらかいので、いろいろなポーズの座り方をします。
そのなかでも比較的よく見るのが、前肢の足首の部分を胸の下にたたみ込んで、おなかをべったりと地面につける座り方です。
このときしっぽは体の側面に沿わせて、胸のほうに持ってきています。これを香箱を組むとか香箱座りといいます。
香箱とは香道で使われる道具を入れる箱や、香料を入れるふたつきの器(香合)を指します。ネコが前肢をたたみ込んで座っているときの様子力香箱に似ているということで、香箱座りという名前がついたといわれます。
ネコが香箱座りをする理由
その理由は、よくわかっていません。でも香箱座りをしているときのネコは、とてもリラックスしているように見えます。
足首を体の内側にたたみ込んでいるわけですから、何か起きたときにすぐ、に逃げるのには不利な姿勢です。だから周囲に危険がなくて、くつろいでいる状態のときだけに、ネコはこうしたポーズをとると思われます。
ちょうど人間でいえば、肩の力を抜いてあぐらをかいているときに似ています。大型に多いスフィンクス座り ちなみにトラやライオン、ヒョウなどの大型のネコ類には香箱座りは見られません。
大型ネコ類の四肢は、人く長いのが特徴。そのため足首を器用に内側に曲げられないのではないかと考えられています。
トラやライオンは、前肢を前に突き出して座るスフィンクス座りをしているものが中心です。
Q.ゴロゴロという音が出る場所
A.のどに仮声帯があり、毎秒30回以上振動
喉頭の筋肉が仮の声帯をふるわせている
ネコのゴロゴロという音がどこから出ているかについては、専門家の間でも謎とされてきました。
静脈の血液がおなかから胸に入るときに血流が乱れ、胸腔で反響した音とか、動脈の血管の壁に血液が強くあたり、その音が体中に共鳴したもの等、さまざまな説が出されました。
近年有力になっているのが、仮声帯説です。ネコには普通の声帯とは別に順項室雛壁と呼ばれる仮声帯があって、その部分の喉頭筋が毎秒30回以上振動することで、ゴロゴロという音が出ているというのです。
ゴロゴロは麻薬のようなもの
リラックスしているときのネコをなでてやると、いかにも気持ちよさそうにゴロゴロと音を出します。
ほかにもごはんがほしいときや遊んでほしいときなどに、飼い主に要求をするかのようにゴロゴロと音を出すネコもいます。
ネコが生まれてから最初にゴロゴロと音を出すのは、母ネコのお乳を飲んでいるときです。母ネコは子ネコのゴロゴロを聞いて、無事にお乳を飲んでいることを理解します。
ネコのゴロゴロは、信頼や安心のサインといえるでしょう。ただしネコは、病気やケガなどで体の調子が悪いときにもゴロゴロと音を出すことがあります。
理由はわかりませんが、ゴロゴロによって苦痛から逃れ、自らリラックス状態を作り出そうとしているのかもしれません。